今月の新刊です


ゴードン・ミラン/柏倉康夫訳解説 『マラルメの火曜会 神話と現実』A5判192頁2,000円(本体)
本の紹介―― 本書は、Gordon Millan: Les《MARDIS》DE STĒPHANE MALLARMĒ Mythes et réarités, Librairie Nizet, 2008.を翻訳したものです。19世紀象徴派の詩人ステファヌ・マラルメの「火曜会」は、詩人が長年住んだパリ8区ローマ通りのアパルトマンで毎週火曜日の夜に開かれ、多くの作家や芸術家が集まりました。そして彼らは詩人が語るさまざまな話題に耳を傾けたのです。
 ゴードン・ミランは、「火曜会」に出席した人たちの回想録や手紙など、残された資料を徹底的に渉猟して、そこから火曜会の姿を再現しようとこころみました。マラルメが生前に目を通し、死の5カ月後の1899年2月、ベルギーの出版社ドマンから出版された『マラルメ詩集』には49篇の詩が収録され、1897年1月刊行の『ディヴァガシオン』には折々に発表した散文の大部分が収められています。従来、火曜会で語られた話題の多くが、これらの詩や散文に反映されていると考えられてきましたが、ゴードン・ミランの『ステファヌ・マラルメの火曜会 神話と現実』は、残された資料を渉猟して可能な限り、その真の姿を復元しようとした労作です。


松久玲子 『メキシコ近代公教育におけるジェンダー・ポリティクス』A5判302頁3,000円(本体)
本の内容――第1章 先行研究と問題設定/第2章 ディアス時代の教育と女性たち/第3章 革命動乱期の教育運動とフェミニズム――合理主義学校運動/第4章 ユカタン州フェミニズム会議と女子教育/第5章 1920 年代の優生学フェミニズム運動/第6章 ユカタンの実験と反動――母性主義の勝利/第7章 母性主義と女子職業教育/第8章 社会主義教育とジェンダー/結論 母性主義教育とジェンダー・ポリティクス
第2刷:梓加依ほか 『介護とブックトーク 絵本を介護現場に届けよう』四六判216頁1,900円(本体)